ミケランジェロ(1475年-1564年)
<聖家族>
1504年ごろテンペラ 油彩 板 直径120cm
ウフィツィ美術館所蔵
「聖家族」という主題は幼いイエスと聖母マリア、養父ヨセフを描いたもの。
1986年に修復が完了しました。この絵<聖家族>の構図は聖母が幼いイエスを肩越しに受け取るという珍しいものです。
ミケランジェロ唯一のタブローで、初期の稀少な板絵作品です。
ミケランジェロの壁画以外の絵画としては唯一の作品です。幼児キリストに筋肉がみられるように、人物は力強く描かれ、
彫刻を絵にしたような印象をうけます。ミケランジェロが彫刻家だけあっての表現でしょうか。
画面から飛び出してきそうな三次元性は、
線的な明晰さにおいても彫刻的であると認識できます。人物や衣服の輪郭の刻み、明暗のコントラスト、力強い人物の肉付け、
どこを見ても彫刻家らしさが明確です。
絵画より彫刻が勝っていると主張したミケランジェロは、
絵画においてさえ、量感きわまる人物像を描ききっています。彫刻的な力強いフォーム。そこにはミケランジェロの創作理念がうかがえます。
レオナルド・ダ・ヴィンチとはまったく異なる創作理念です。
ダイナミックな動きで生き生きと描かれた人物像は、
主題のヒロイズム・ドラマ性を強調しています。画面の前面に大きく描かれた聖家族(イエス・マリア・ヨセフ)は、
キリスト教の新しい世界を表現し、
背後の若者たちのグループは古い異教の世界を表しています。
右端に半身を現しているのは洗礼者ヨハネです。
人体表現は明るい太陽の光を念頭に置いた明暗法で描いています。
ボッティチェリのころの線画と比べると、人体把握が一段とたしかなものになり、人物と人物の組み合わせ方もより複雑で有機的なものになっています。
<聖家族>は、
アニョーロ・ドーニとストロッツィ家のマッダレーナの結婚祝いとして描かれました。ドーニ家に依頼されて描いたことから「ドーニのトンド(円形作品)」とも呼ばれています。
「トンド」とは円形額縁に入った絵画のことであり、
額縁に施されたみごとな唐草模様のレリーフや人頭彫刻は、ミケランジェロ自身のデザインとも言われています。
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