「一点透視図法 二点透視図法 三点透視図法の理論」
アルベルティが説いた作図は一点透視図法ですが、
この一点透視図法は科学的遠近法における最も単純な図法です。
一点透視図法の作例として、ラファエロ(1483-1520)の<アテネの学童>があげられます。
ラファエロは絵画において劇的な空間表現に深い関心を持っていました。後の舞台表現に大きな影響を与えたと考えられています。
建物は中央に置いた視点から描かれます。
構図は両側に建物が配置され、鋭い対角線が形成されています。人物像を取り去ったとき、驚くほどの奥行きの深さがわかります。
ここに人物を並行に並べることで建物との適度なバランスが保たれています。
形成と構成、概念把握の広大さ、劇的な効果を盛り込む的確な手腕はルネサンス芸術の完全な表現であると言えます。
さらにブルネレスキは画面に二つの消失点を設定する二点透視図法を考案します。
この二点透視図法は建物などが画面に対して斜めの位置にある場合に用いられます。このような絵画空間は北方絵画で発展をみせます。
この二点透視図法の作図はどんなものかと言うと、
水平方向の平行線は奥に向かい左及び右方向に収束し、二つの消失点ができます。垂直方向の平行線はすべて画面に平行です。
二点透視図法の作例としてレオナルド・ダ・ヴィンチの<受胎告知>の床にみられます。
床の長方形の石の一辺を左右に延長すれば、水平線上にその直線は集まり、消失点が左右に二つできます。二点透視図法であることが確認できます。
そして垂直方向にも消失点をとる作図が三点透視図法です。
いかなる面も画面と平行にはなりません。それぞれの平行線が三つの消点に収束します。
第三の消点が画面上方か下方に設定されるため、加速度のある奥行きの効果を感じさせます。
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