レオナルド・ダ・ヴィンチ ヴェロッキオ キリストの洗礼(ウフィツィ美術館)絵画解説

レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452年-1519年)
<キリストの洗礼>
1472年ごろテンペラ 油彩 板 177×151cm
ウフィツィ美術館所蔵
レオナルドは父の知り合いであった、
ヴェロッキオ工房に入門しました。<キリストの洗礼>は、ヴェロッキオとレオナルドの初の共同作品。
フィレンツェのサン・サルヴィ聖堂から依頼された祭壇画です。5年がかりの作品。レオナルド20歳ごろのものです。
<キリストの洗礼>という主題は、新約聖書の重要なポジションに位置するもので、
礼拝堂には欠かすことのできない祭壇画の題材の一つです。イエス・キリストがヨルダン川で、
洗礼者ヨハネから洗礼を受けている場面を描いたものです。
師であるヴェロッキオがテンペラで大半を描き、
その後、左端の天使と左奥の風景をレオナルドが描きました。当時の工房では師匠の作品に弟子が手伝いをするという習慣はあたりまえでした。
中央の人物がイエス・キリスト。
右端の人物が洗礼者ヨハネ。ヴェロッキオによる洗礼者ヨハネは、
彫刻的に描かれ、陰影のつけかたは単調にみえます。しかし、レオナルドによる天使は、
金髪の豊かに波打つ髪の表現、生き生きとした顔の表情に非常に繊細な陰影が見られ、
とても温かい表現によって描かれています。
背景には深い奥行きをもつ山河を描いており、
そこには後にレオナルドが得意とした、空気遠近法による技術を思わせます。レオナルドの豊かな感受性と優美さが祭壇画に表れており、
レオナルドは油彩で描きたしたゆえ、レオナルドの描いた部分が正確にわかるのです。このレオナルドの描いた天使と背景の繊細さに、
ヴェロッキオはとても驚き、落胆し、<キリストの洗礼>の祭壇画を最後に、
にどと絵筆をとろうとはしませんでした。
レオナルドは師匠との初の共同作品であったにもかかわらず、
師であるヴェロッキオの腕をはるかに超えた出来栄えを示したのです。レオナルドがすでに円熟した画家としての技術を示しめした作品と言えるでしょう。
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