ボッティチェリ ヴィーナスの誕生(ウフィツィ美術館所蔵)絵画解説
サンドロ・ボッティチェリ(1444~45年-1510年)<ヴィーナスの誕生>
1485年ごろテンペラ 油彩 キャンバス 172×278cm
ウフィツィ美術館所蔵
ウフィツィ美術館の数ある名作の中でも最も人気があり、中心的存在にあるのが、、
ボッティチェリの第10~14室にある初期から晩年にいたるまでの世界最大規模のコレクションです。その最も有名である、<春/プリマヴェーラ>とともにボッティチェリの代表的作品であるのが<ヴィーナスの誕生>です。
当時、宗教画が多く描かれたなかで、
<ヴィーナスの誕生>は、古代以来はじめての大型サイズの神話画です。
ボッティチェリの円熟期の作品なのですが、
<ヴィーナスの誕生>はテンペラ画でありながら、板でなくキャンバスに描かれているため
絵の具の発色があまりよくありません。(残念…。)
<ヴィーナスの誕生>の物語はどんなものか?
それは突如、ヴィーナスが波間から生まれ、西風の神の息吹に送られて島にたどり着きます。
そこには春の女神が待っています。
海から生まれたヴィーナスは帆立貝に乗り、
西風の神ゼフュロスの吹く西風によって岸にたどり着きました。西風の神ゼフュロスは妻であるフローラを抱きながら、
おもいきり頬をふくらませてヴィーナスに風を送ります。
岸辺には時の妖精ホーラが赤いマントを広げてヴィーナスを待ち受けています。
フローラは花の女神であり、ヴィーナスの愛のシンボルであるバラの花をまき散らしています。
バラは愛の勝利を意味します。
ボッティチェリの植物を描く際の表現の正確さは定評で、美しく、
神話という想像の世界となんの違和感もなく溶け合っており、とてもすばらしいものがあります。<ヴィーナスの誕生>に描いたバラは、かなり早い時期の八重咲きの品種のようです。
線による感情表出の繊細で精妙な表情をみせるのがボッティチェリの作風です。
<ヴィーナスの誕生>にいおけるヴィーナスの輪郭線や髪の毛の表情の豊かさに個性が見られますね。しかし、人物の存在性は師匠であるリッピより後退しており、
中央のヴィーナスは彫刻のようにクールで固い感じをうけます。
背景を見ても、画面の奥行きも単純に、ごく浅くなっています。
<ヴィーナスの誕生>は<春/プリマヴェーラ>同様、長い間秘蔵されていました。
そのため、この二つの作品はメディチ家の別荘カステッロからウフィツィ美術館に移された1815年以降に研究され始めました。<ヴィーナスの誕生>は主題・表現ともに「古代ギリシア・ローマの再生」といえる、
イタリア・ルネッサンスを象徴する記念碑的作品としてとても名高く知られているのです。イタリア旅行なら⇒♪日本旅行のイタリア特集♪

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